今回は内部被曝に大きく関わってくる、水と食べ物の基準値についてです。
まず、水の基準値について。
①世界の平常時の基準値
WHO基準・・・ヨウ素I-131 10ベクレル(Bq/L)
セシウムCs-137 10ベクレル(Bq/L)
ドイツガス水道協会・・・0.5ベクレル(Bq/L)
アメリカの法令基準・・・0.111ベクレル(Bq/L)
※3/16まで、日本には放射能に関する飲料水基準はなく、WHO(世界保健機構)の基準相当を守っていました。
③3/17以降の日本の暫定基準値・・・300ベクレル(Bq/L) ※乳幼児は100ベクレル(Bq/L)
次に食品の基準値について。
①チェルノブイリ事故以降、日本の輸入食品中のセシウム(Cs-134+Cs-137)の放射能濃度の基準 370ベクレル/kg (つまり、370ベクレルを超える食品は日本に入ってこなかった)
②3/17以降の日本の暫定基準値
・牛乳、乳製品 300ベクレル/kg
・根菜やイモ類を除く野菜類 ヨウ素 2000ベクレル/kg (セシウムは200ベクレル/kg)
・野菜類、穀類、肉類、卵 500ベクレル/kg
・魚介類 ヨウ素 2000ベクレル/kg (セシウムは500ベクレル/kg)
これらの暫定基準値は原子力安全委員会の「飲食物の摂取制限に関する指標」を引用。
この指標は1年間の内部被曝の許容量をセシウムが5ミリシーベルト、ヨウ素が甲状腺に対し50ミリシーベルトとするもので、ここから年間飲食量を逆算して基準値を決めたそうです。
しかし、厚労省では、公表された暫定基準値に基づけば、飲料水と食品の摂取だけで、1年間で17mSvの被ばく(実効線量)になると認めたというお話もあります。
※1日の平均食物摂取は飲料水1600g(300 Bq/kg)、穀類300g(500 Bq/kg)、野菜類700g(2,000 Bq/kg)、肉・魚・卵200g(500 Bq/kg)とした場合。
これを見て、非常時だからしょうがないかなってあまり気にしない人もいると思います。
私が怖いな・・・と思うのは、
・原発の収束の目処が立っておらず、現在も放射能が漏れ続けていること
→被曝量は足し算なので、既に放射能の漏れが止まっていれば、内部被曝の計算もしやすくなるので す。最低半年はかかると言われている工程表をもとに考えて、今後更なる放射能の放出がないとは言えません。ですので、できるだけ食べ物にも気を付けて欲しいのです。
・飲食物の検査は一つ一つ行われているわけではなく、サンプルを選んで測っていること
→もし全量調査してくれてたらもっと安心できるのですが。願わくば、それぞれの商品にベクレル数を記載してもらえると、消費者が許容できるものを判断して買える=本当に数値が低いのなら買い控えも起こらないと思います。
東京電力福島第1原発事故を受け、厚生労働省が農畜産物や水産物に含まれる放射性物質を検査するよう求めている1都10県の計513市区町村のうち、全体の4割に当たる203市区町村で先月下旬までに一度も検査を実施していないことが3日、同省のまとめで分かった。
これ、便利です!!
被曝量は外部と内部の足し算です。
政府は暫定基準値を出していますが、それらはあくまでも外部は外部だけ、内部は内部だけと分けて発表なりしますよね。
それぞれ暫定基準値内なら「ただちに」問題ないのかもしれませんが、長期化することが分かっている今、全てを含めて話して頂けると誤解がないのになーと残念に思います。
最近は原発関連のニュースも含め、正確な数値が出ないので分かりにくいです。
出荷制限が解除された時にどの位のベクレル数だったのか。
(例えば、暫定基準値はヨウ素2000ベクレル/kgですが、今回は1500ベクレル/kgで下回りました!とか・・・)
公式のHP等で調べれば分かるのですが、数値を出してもらえた方が判断しやすい。
そして基準値を下回っていても、放射能が出ているうちはもっと頻繁に検査を続けてもらいたいです。