2011年6月22日水曜日

みえないばくだん

皆に見てほしいです。

※画像をクリックすると別窓でユーチューブが開きます。
動画の右下の全画面表示で大きくした方が見やすいです。

チェルノブイリから学ぶ

キエフ病院の子供たち 2011 チェルノブイリがもたらしたもの

↑イタリア国営放送RAI2によるドキュメンタリーレポート。

「キエフ市は事故現場から南へ約130キロの距離。博士によると、爆発時には東から西への風が吹き、その後、風は北へ、さらに北東への流れに変わった。キエフ市では4月30日に初めて放射能を検出したが、年間の放射線量は許容値の20分の1程度にとどまると推定された。11時間に及ぶ議論の末、住民の健康に影響ないとして、疎開しないことを決めたという」(朝日新聞)


チェルノブイリ事故から25年経った今でさえ、多くの子供達が1歳未満で病死。生存率は10%。


ジャーナリスト・高世 仁さんが、今回の原発事故後に現地取材をしてくださっています。


↑チェルノブイリ事故から10年後。 NHKスペシャル 終わりなき人体汚染① 1996年。
その② http://www.youtube.com/watch?v=LqoZjRvb60o&feature=related
その③ http://www.youtube.com/watch?v=2UjsjWNRxAY&feature=related
その④ http://www.youtube.com/watch?v=7uT_ZnvHgTk&feature=related


中鬼と大鬼のふたりごとさんより。


10年後のNHKスペシャルでは、低濃度汚染地帯に区分されたベラルーシ・ポレーシア地方のゼルジンスク村の話が出てくる。ここは原発から約200km離れており、だいたい福島から東京までの距離と同じである。この村の住民は自給自足的農業を営んでいるため、高濃度の汚染地帯の食品は食べていない。それでもこの村の住民の体内被曝レベルが高濃度汚染地帯のそれとあまり変わらないほど高いレベルであったという事実は重大である。なぜなら「安全」であるはずの低濃度汚染から出荷された食品を主に食べているすべての人々が同じような事態に直面していると推測されるからだ。


NHKスペシャル(終わりなき人体汚染、汚された大地で)のまとめ。


■ 10年後の人体への影響

(1)小児甲状腺ガンの急増: 4年後から顕著な増大、のど切開手術
(2)死産増加: 10代で被ばくした母、通常2cmの胎盤が5cmに
(3)染色体変異: 被曝量に比例して染色体(生殖器なら遺伝情報)が破損する割合が増加していた
(4)原発作業員の平均寿命44歳: ガン・心臓病・白血病・記憶障害・神経細胞破壊・躁鬱自殺など
(5)「安全」とされていた低濃度汚染地域で大量の体内被曝が進行していた: 生態濃縮で高濃度となった放射能が、自給自足型の農村の住民の体内に蓄積していた

■ 20年後の人体への影響

(1)成人甲状腺ガンの急増: 小児甲状腺ガンは事故10年後がピークだったが成人のガンはその後に急増
(2)先天性障害児(奇形児)の増加: ベラルーシでは事故前は1万人中50人だったが2000年に110人と2倍以上に増加
(3)引き続き原発作業員の死亡相次ぐ
(4)「安全」とされていた低濃度汚染地域(原発から100 - 400km)でガンや白血病の発症が増加


2011年6月17日金曜日

低線量被曝について

6月16日の東京新聞より

避難区域外、原発50kmの福島県郡山市で、子供の健康被害が目立ってきているという記事です。
大量の鼻血、下痢、倦怠感etc... 放射線被害かどうかは分かりません。
ただ、同じようなことが福島県内だけではなく、関東圏でも起こっているようなのです。
facebook、mixi、twitter等でも多数の症状が挙がっているようです。
もちろん、ストレスや別の要因も考えられるでしょうが、チェルノブイリやスリーマイル等でも同様の症状が報告されていることもあるので、気をつけるに越したことはありません。

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前代未聞の状況が未だ解決の目処も立っていない中、避けられるリスクは避けて欲しいです。。。

人は歴史から学ばないのですか・・・?
同じことが繰り返されるのでしょうか・・・?

NHK 「汚された大地で~チャルノブイリ20年後の真実~」No.1


No.2  http://www.youtube.com/watch?v=8hXmoNuJHKs&feature=related
No.3  http://www.youtube.com/watch?v=Fgx1mcUgHnA&feature=related
No.4  http://www.youtube.com/watch?v=BiFTMaApEpw&feature=related
No.5  http://www.youtube.com/watch?v=ZK7T6BDiB1c&feature=related


特にNo.3~No.5は低線量被曝~遺伝的影響についての話が出てくるので、是非見て欲しいです。

2011年6月14日火曜日

6.11。


デモやイベントに参加された皆さん、お疲れ様でした!
私が仕事後に行ったのは新宿アルタ前の夜の部、時間は19時半頃でした。(すっかり終わりに近い時間ですが・・・)
警察官の数の多さにまず驚きました。アルタ前は人が多すぎて中々前に進まない状態。
でも、昼間はもっと凄かったみたいですね。

外側から見ているような状態でしたが、何人もの人に「これって何やってるんですか?」とか声かけられて、お話する機会があったのはちょっと嬉しかったな。
(外側から見ると何してるのか分かりづらい状況だったのは間違いないかと・・・私もプラカードとか持っていれば良かった^^;)

どちらかというと原発推進派なんだけどね~と言っていたある男性からは色々な話を聞きました。
・結局日本経済のこと考えると原発は必要。リスクは高すぎるけど・・・安全性高めるのが一番良いのでは?
・代替エネルギーも、風力、火力、太陽光etcそれぞれ一長一短だし・・・
・女性の方が心配しているみたいだけど、関東は放射能の影響ないのでは・・・?

多分・・・悲しいけど、一般的な反応なのかなと思いました。
通行中の若い人達の中では、「マジ迷惑なんだけど~キモイ~」っていう言葉もちらほら聞こえたりもしたし。。

日本の原発事故がきっかけで、ドイツ、スイス、イタリアは脱原発が決まりました。
当事者よりも、外側から見ている方が事の重大さがよく分かるのかな?
原発は、廃炉にしても使用済核燃料は完全には処理出来ないんです。半減期が数万年っていう核種もあるのに、誰が最後まで面倒を見るのでしょう。100年後ですら、私たちは居ないのに・・・
処理方法と一度の事故の被害の大きさを考えるだけでも、あまりにも無謀だと思ってしまいます。。


2011年6月8日水曜日

6.11 脱原発100万人アクション!!

震災と原発事故から3ヶ月後の6月11日、日本や世界各地で脱原発のデモやイベントが開催されます。

この3ヶ月、本当に沢山の感情を持ちました。
原子力や政治諸々に対する知識不足を悔いたり。自分の無力さに悲しくなったり。守られるべき人達が守られないことに対して怒ったり。日本の政治や大企業の利権に疑問を持ったり。。。
同じように感じたり、疑問を持って声をあげる人達が増えていくのを心強く思ったり。

何も言わないことは、Yesと見なされます。
こんなに大きな事故が起こりうる原発が、小さな島国の日本には54機もあるんです。
ここまで大きな発展を遂げた日本なら、きっと徐々に原発を廃止しても、代替エネルギーで賄っていけると信じています。

私は仕事が終わってから、デモに参加しようと思っています。
仕事中は黄色のラバーバンドを身に付けて、さりげなくですがアピールです^^

デモはちょっと・・・と思われる方、以下のお散歩しながらの意思表示はいかがでしょうか?


グループ :  木下黄太とFacebookグループ「福島負第一原発を考えます」
発案者  :   宮部 まゆみ 
日時場所 :  6/11(土)午後、首相官邸と国会議事堂周辺を散歩しましょう。
服装   黄色のリボン、黄色の帽子などを身につけてください。


私たちの想いは、
1.全ての原発を廃止したい。 
2.福島の子どもを救いたい。
3.
正確な情報提供(食品、土壌の放射線量測定含む)を政府に求めたい。


子どもは、宝です。未来を創るのは今の、そして未来の、子ども達です。
その子ども達には選択肢はありません。
今私たち大人がやるべきことをやらないと、第二の原発事故が日本で起こります。
なんとしても止めたい。なんとしても守りたい。

諸般の事情で直接参加はできないけれど、611をサポー トしていると同時に、私たちは政府の対応その他に、怒り を込めて NO!  と言っているという意思表示は したい、という方に。気持ちは参加する方と同じです。黄 色に抵抗がある方は、緑でもいいですし。黄色と緑のコン ビでもいいですよね。街が黄色と緑でいっぱいになるくら いみんなでやってみませんか?

  《身につける編》
 リボンをつける。
 ラバーバンドをつける。http://bit.ly/jIoKvZ
 当日は、家族全員黄色か緑の何かを見につける。
 Tシャツ、靴下、帽子、なんでもいいので、控えめにでも一点。


  《お家に飾る編》

 七夕がちょっと早く来たと思っていただければ・・・^^
 小さなプラカードみたいなものを作り、窓辺に外から見えるように置いておく。
 もっとアピールしたい人は、Support 611とか、その紙に書く。
 七夕の短冊風でもいいし。
 なにか家にあるもので黄色い物を家の外に置いておく。
 レインコート、傘、長靴とか家にあるもので、なんでもいいので。
 物干しに一本でいいので、リボンをかけておく。
 いつも黄色or緑のTシャツを干しておく。
 庭の木の幹に、黄色いリボンをかける。
 自分の車のリアウインドのところに黄色い何かを置く。
 ステッカー、小さなフラッグとか。


諸々のことにおなかの中では怒ってるんだけど・・・・・。
今まで何も出来ずにいた方。おなかに溜めておくのはストレスになるだけなので・・・
そんな型は、小さな意思表示から、一緒にはじめてみませんか?


黄色いリボン.jpg


こちらでは日本各地での6月11日のデモ、イベント等が確認できます。
http://chikyuza.net/n/archives/10400

http://www47.atwiki.jp/demomatome/

2011年6月7日火曜日

【署名】送電線の国有化を願う1000万人署名


http://maketheheaven.com/japandream/

日本の自然エネルギーの技術は世界トップレベル!

なのになぜ自然エネルギーの自給率が

低かったか知っていますか?

その原因の一つが電気を家庭に送る送電線を電力会社の一企業が独占していたからです。
一企業が独占していると送電線は自由に使えません。
道路を一企業が独占しているのと同じだからです。
本来送電線は公共物で、自由利用の原則に基づくものです。
ところが一企業が独占所有しているために、
企業や都道府県、市区町村などが大量の電気を作ったとしても、
公正な価格で販売することができず、その結果、
一方に電気があるのに社会全体では、
電気が足りないという現状が生まれてしまうのです。
『送電線が国有化されたならば、どうなるでしょう?』
送電線が自由利用の原則に基づいて接続自由になると、
企業や都道府県、市区町村は独自で電気を創りはじめます。
その多くは地域の特性に基づいた自然エネルギーとなるでしょう。
世界では一般的に認められている自然エネルギーに対する
固定買取制度により、それらの発電主体は豊かになります。
そして国有化された送電線を使い、地域で作った電気を地域の人が使えるようになるのです。
東京の電気をまかなうために、新潟や福島や青森で電気を作っています。
しかし、その電気は東京に届くまでの距離が遠いため、送電ロスが多くなるだけでなく、
費用も多額にかかるようになってしまいます。
スマートグリッド(※1)のように地域内での発電と配電が調整されれば、
このようなロスは避けられることになります。
もう多くの人が気付いているように、需要をコントロールすれば、
原発が全部止まったとしても電力は足ります。
デマンドサイド・マネジメント(※2)を実行すれば、
限りなく電源を開発する必要はなくなります。
しかも、その電源の多くがco2を排出する火力発電です。
しかし送電線が国有化されるとともに民主化されれば、
自然エネルギーから電気がどんどん販売できるようになり、
火力発電をフル回転させなくてもよくなっていきます。
送電線の国有化が実現すれば、割高な原発からの電気は抑制され、結果、電気代は安くなります。
それぞれの地域が独自でエネルギーを生めるように、送電線の国有化を望む署名を集めたいと思います。

*****

※1『スマートグリッド』•••デジタル機器による通信能力や演算能力を活用して電力需給を自律的に調整する機能を持たせることにより、省エネとコスト削減及び信頼性と透明性の向上を目指した新しい電力網 。
※2『デマンドサイド・マネジメント』•••電力消費に関して、消費者側が管理制御に関わること。消費者が制御に参与し、需要量の制御を行うことによって、需給の協調を実現、より効率的で無駄のない需給システムを形成しようというもの。
『一ヶ月で1000万署名に向けて具体的にやる事』
今回、日本中に一気に送電線国有化という風が吹くように
一ヶ月という短期間で署名を集めたいと思います。
ぜひ、一緒にこの一ヶ月、あなたの力を貸して下さい!
以下、署名用紙と電子署名です!!

2011年6月6日月曜日

年20ミリシーベルト問題

少し前のニュースになりますが。

文部科学省は5 月27 日付で「福島県内における児童生徒等が学校等において受ける線量低減に向けた当面の対応について」を福島県内の関係機関に通知。
①全校に積算線量計を配布し6月1日からモニタリングを実施する。
②今年度、学校において児童生徒等が受ける線量について、当面、1 ミリシーベルトを目指す。
③校庭・園庭の空間線量率が毎時1 マイクロシーベルト以上の学校の土壌除去について、財政支援を行う。
以上を表明しました。


福島県内の子供たち・・・被曝量年1ミリシーベルト以下を目指す、と文科省が表明してくれました!!
やった!!と思ったのですが、既に浴びてしまっている分を考えると非常に厳しい現実は変わっていません。。というか、今から1ミリシーベルト以下にするのは無理なのでは・・・と思います。

文部科学省の表明に対する、市民団体が指摘する問題点。


1.「今年度、1ミリシーベルト」の意味について
学校内における被ばく量の目標値であり、登下校も含め、学校外における被ばく量は含めない。
学校給食による内部被曝は含めない。
ほこりの吸引などによる内部被曝は含めない。
2011 年4 月の始業式から、来年3 月の終業式までの間であり、2011 年3 月の事故後の被ばく量は含めない。
計測は、学校に1台配布している積算線量計により、6 月1 日より開始する。なるべく子どもの行動を代表するような教師が持ち、始業から終業までを計測。4~5 月は、実測による積算線量から推測する。モニタリング結果は、これまで高い線量を示している55校は2週間に1回、それ以外は1か月に1回の報告とし、文科省のホームページで公開する。
文科省としても、学校外も含めて、トータルで最終的に1ミリシーベルトを目指すという認識でいる。学校内における「今年度1ミリシーベルト」は、このための通過点である。



2.「今年度1ミリシーベルト」を超えた場合の措置について
これはあくまで目標であり、超えた場合に何かの措置をとるわけではない。


3.毎時1 マイクロシーベルト以上の学校の土壌除去への財政支援について
1マイクロシーベルト/時の根拠について:いままでの経験上、土壌除去後の線量が1マイクロシーベルト/時であるため、それを根拠としている。投資するため効果が確実になることも考慮に入れた。
しかし1マイクロシーベルト以下の校庭の土壌除去により、効果が得られないことを実証したわけではない。
1マイクロシーベルト/時以下の校庭の除染は対象外。
費用が40 万円以下であると補助の対象にはならない(正確には市町村立の学校、県立
の学校、私立の幼稚園等によって金額に違いがある)。
先行して除染活動を行ったものについても、上記の要件を満たせば、補助の対象となる。



4.土壌除去以外の被ばく低減策への財政支援について
特に考えていない。


「今年度、1ミリシーベルトを目指す」という方針は、通学時を含めた学校外での被ばく量、内部被曝、2011 年3 月の被ばくを完全に除外して、「学校にいる間」だけに限定してしまっているのです。
なるほど・・・これで辻褄が合いました。
20ミリシーベルト許容するような通達から比べると、一歩前進したとは思うのですが、やはり子供達を守る気はないように感じてしまいます。
ただ、福島や関東圏のお母さん達をはじめ、声をあげる人達も増えてきたことは、きっと大きな変化に繋がると信じています。



2011年6月5日日曜日

情報を自分で集めていない人へ知ってもらいたいこと

今回の原発事故と放射性物質について。
周囲の人達に説明するのって難しいですよね。。
この3ヶ月弱の状況と放射性物質について、本多ゆかさんが分かりやすくまとめてくださいました。
やっぱり放射性物質って安全じゃないんじゃない?とマスコミの論調は変わってきています。
そして、原発の状況もだんだん解明されてきました。(と言ってもまだ何も良い方には進んでいません・・・
それでも・・・生活していると正常性バイアスが働くのか、やはり世の中は依然として普通のように見えて、逆に焦りを感じます。。
知らないことは怖いこと。
以下、周囲の人達に知ってもらう際に活用してみようと思います。


以下転載。
https://sites.google.com/site/livingwithfukushima/literature/critics/honda



マクロビオティック・クラブ サンタクララ ニュースレターNO.16 (2011年6月1日)に「福島第一原発事故と放射能汚染」のタイトルで掲載

3月11日の東北地方太平洋沖地震によって福島県双葉郡にある東京電力福島第一原子力発電所の1~3号機の原子炉が緊急停止、地震と津波によって発電所の電力が失われました。

原子力発電所は、ウランまたはウランとプルトニウムを混ぜたもの(3号機で使われていたMOX燃料)を使った核燃料からの熱で水を沸騰させ、水蒸気の力で蒸気タービンを回し電力を作り出します。火力発電所は、石炭や石油、天然ガスを燃やした熱で水蒸気を作り、発電します。どちらも原理は同じです。

ウランは天然に存在する放射能を持つ鉱物です。不安定なウラン原子は、安定しようと核分裂し、熱を発しながら別の元素(核分裂生成物)を作り出します。原子力発電は、ウランが連続して核分裂を起こす時に発せられる大量の熱を利用しています。

原子炉では、核分裂のスピードと発熱量をコントロールするために、水を循環させて核燃料を冷やします。福島第一原発では、停電で冷却水を循環させるポンプが動かなくなったため、核燃料を冷やせなくなりました。連鎖的に核分裂が起こり炉内は高温となり、水は蒸発し、核燃料が溶け、水蒸気が原子炉の圧力を上げ、漏れ出した放射能や水素が建物内に充満しました。そして、3月12日に1号機、14日に3号機の建物が爆発を起こし、15日には4号機も爆発か火災で建物が大破しました。

原子力発電所は、火を燃やさないためCO2が発生しないことから、クリーンエネルギーと呼ぶ人もいます。しかし、ウランが核分裂する時に、放射能を持ったプルトニウム、ヨウ素、セシウム、ストロンチウムなどの核分裂生成物ができます。これらの放射性物質は、通常運転でも環境中に漏れ出ていますし、事故が起これば大量に撒き散ります。放射能は生物に有害なので、原発をクリーンと呼ぶのは間違っています。

福島第一原発では、原子炉建屋の中に、核燃料が入っている圧力容器とそれを覆う格納容器と、使用済み核燃料を入れるプールがあります。地震発生時に稼動中だった1~3号機の圧力容器と格納容器は損傷しており、1号機と3号機は爆発で建屋屋根が、2号機も壁の一部が壊れているので、プルトニウムやセシウムなどの放射性物質が漏れています。また、1~4号機の使用済み核燃料プールには核燃料棒が入っており、プールには放射能汚染水が溜まっています。

原子炉を冷やすために放水した大量の水が放射能で汚染され、建物内に溜まって作業の妨げになっているため、一部が海に流されました。格納容器の気圧が上がりすぎると原子炉が爆発するので、気圧を下げるために放射性物質を含んだ空気が排気されました。こうした海中や大気中への放射性物質の排出は、これからも行われるでしょう。

今回の事故では、本来なら原子炉建屋の外に大量に出てくることのない放射性物質が大気中に出てしまい、今も出続けています。

11日の地震発生から4月上旬までに出た放射性物質は、63京ベクレル(安全委員会試算)と言われており、特に3月15日に各地で異常に高い数値が計測されました。この日、福島原発から北西方向の福島市や飯館村などの市町村は風下に当たったため、20キロ圏より遠いにも関わらず、放射性物質が大量に降りました。2ヶ月以上経った現在でも、この地域の放射能測定値は、県内他の地区より突出して高くなっています。

放射能とは、放射線を出す能力のことです。核燃料の原料であるウラン、ウランが崩壊してできるプルトニウム、ヨウ素、セシウム、ストロンチウムなども放射能を持っています。福島第一原発から飛び散った放射性物質からは、ガンマ線、アルファ線、ベータ線、中性子線という放射線が出ています。放射線を短期間に大量に浴びると死に至る急性障害が起こりますが、今回の事故で急性障害になる危険性があるのは、福島第一原発で作業に当たっている作業員の方々です。一般の市民には、その危険性は少ないです。

放射線が細胞に当たると、細胞内の活性酸素を増やします。放射線が直接DNAを傷つける場合もありますが、増えすぎた活性酸素がDNAやミトコンドリアなど細胞内を傷つける影響の方が大きいようです。生物にはDNAが傷ついてもそれを修復する能力があります。しかし修復できない場合には、DNAが壊れたまま分裂し、その細胞は老化または癌化するか、死んでしまいます。細胞内でエネルギーを作り出したり、有害細胞を排出する役割を果たすミトコンドリアが減れば、体は疲れやすくなるし、免疫力も下がります。

放射線量が多ければ、1つの細胞に何度も当たりますし、当たる細胞も増えます。そうなると、いくらDNAを修復したり、老化・癌化した細胞を減らしても、異常な細胞が増えるスピードが体の回復力より早くなり、体全体に異常細胞が増えていきます。これが放射線が細胞レベルで体に影響を与える仕組みです。特に細胞分裂を繰り返しながら成長している子供たちは、異常細胞の広がるスピードが早いため、放射線を受けた影響が早く体に現れます。

体が受ける放射線量を測る単位がシーベルトで、年間何ミリシーベルト、毎時間何マイクロシーベルトと単位時間当たりで表されます。環境中の放射性物質の量が増えれば、数値も増えます。放射線に晒される時間が長ければ、数値が足されてシーベルト数が増えていきます。放射線源からの距離が遠ければ数値が下がり、近くなると増えます。

実は私達は普段の生活でも、自然に放射線を浴びています。宇宙や大地からの放射線に加え、自然に存在する大気中のラドンや体内のカリウム、核実験で撒き散らされたセシウムなどの放射性物質からも放射線が出ています。その総量は、大地からの線量が違うので場所によって開きがありますが、福島第一原発から放射性物質が飛び散る前の日本の平均は、およそ年間1ミリシーベルトでした。

ところが、今回の原発事故で放射性物質が降ったため、特に関東東北地方で環境中の放射線量が増えました。原発から飛んできた放射性物質は、花粉と同じように振舞います。風に飛ばされ、初めは大気中に漂っていますが、だんだんと降下してきて体や建物、地面に付着します。雨が降ると、雨粒と一緒にまとめてたくさん落ちてきます。大気中の放射線量を測っている東京都のモニタリングポストの数値を見ると、今年の5月末では2008年度の約2倍になっています。爆発があった3月12日~16日や雨が降った3月22日には、どの地域でも測定値が非常に高くなっています。

自然放射線や医療で放射線を浴びる場合、その放射線を出している放射性物質と実際に触れることは滅多にありません。しかし、原発から飛んできた放射性物質は、そこらじゅうに降り積もっているので、直接体に触れてしまいます。雨に濡れれば体に付着します。息を吸えば肺に入ってきます。野菜に落ちれば食べてしまいます。風に吹かれたり雨水に流されて低いところや隅の方に集まります。

土ぼこりと一緒に地面から舞い上がって、また移動して行きます。

放射性物質は目に見えないほど小さく色も匂いもないので、大量に落ちていることや、空気中に漂っていることを、実感できません。

福島第一原発から3月中に飛び散った60京ベクレルという放射性物質を、チョークの粉だと想像してみましょう。普通に黒板を使っている時には、白い粉が多少散っても気になりません。しかし、粉がたくさんついた黒板けしで黒板をはたくと、たくさんのチョークの粉が飛びます。手や洋服につくと白く汚れるし、吸い込めば咳き込みます。床にも積もるし、その上を歩けば上履きの底に付いて教室の他の場所に白い足跡を残します。濡れ雑巾で拭けばすぐにきれいになります。でも、拭かないとそのうち薄れてきます。黒板の下はきれいになったように見えますが、実は教室全体が広く薄く汚れただけです。

その教室に赤ん坊が来てハイハイをしたら、手足や服にチョークが付きます。その手を洗わないで舐めたら、体に入ります。子供たちが黒板の下で跳ねたら、粉がまた舞い上がります。背の高い大人には気にならなくても、、背の低い子どもは吸い込んでしまいます。

体に入った放射性物質から放射線を浴びることを内部被曝と呼びます。チョークの粉と違って、放射性物質が体の中に入ると、その近くの細胞が激しく大量に傷つきます。内部被曝の影響は、放射線を浴びるだけの外部被曝よりも、とても大きいのです。中でも、体からすぐに出て行かない放射性物質は厄介です。放射性ヨウ素は甲状腺に集まります。放射性ストロンチウムは骨に取り込まれます。放射性セシウムは全身に行き渡ります。

たとえば、放射性ヨウ素の場合、甲状腺に留まっている間に、甲状腺の細胞を傷つけるので、甲状腺炎や甲状腺機能低下などの症状が現れ始めます。傷ついた細胞を回復する力が弱かったり、細胞分裂のスピードが早いと、数年後に、癌化した細胞が成長して甲状腺癌を発病したり、機能低下状態が続いて橋本病を発症したりする人も出てきます。

ヨウ素以外の放射性物質も、同じような仕組みで、白血病やその他の癌を引き起こします。また、特定の病気を発症しないけれども、元気がなく体調を崩しやすい状態が続く場合もあります。

チェルノブイリ・エイズやブラブラ病と呼ばれる症状です。

一方で、同じ線量の放射線を浴びても、病気や癌にならない人もいます。

放射線の影響を説明するのに「xxミリシーベルトでは○○人に1人癌になります」という言い方をしますが、これは被曝量が増えれば癌死亡が増えるという事実を元に、広島・長崎のデータから計算した数字で、計算する団体によって数値が異なります。

この確率で被曝の健康への影響を説明するのには、2つ問題があります。1つは、まるで癌以外の健康問題が起こらないように錯覚してしまうことです。もう1つは、大抵の人は、自分は癌になるxx人の中の1人だとは考えないことです。現実には年齢や性別、体型、遺伝、居住地、生活習慣などで癌になるリスクが高い人たちも、確率が低いから大丈夫と思い込んで、リスクを減らす努力をしなくなります。

結局、放射線による健康被害を防ぐには、放射線をできるだけ浴びず、細胞修復力つまり免疫を強くするのが最善となります。いくつかの方法をご紹介します。放射線量が少ない場所を選ぶ。雨に濡れないようにする。放射性物質を吸い込んだり、食べたり、飲んだりしないように気をつける。放射線を浴びない時間を作り細胞の回復を促す。免疫力を高める食事を食べる。ストレスを減らす。化学物質の摂取を控える。十分な睡眠をとる。などが考えられます。
===転載終了===


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http://www47.atwiki.jp/matowiki/pages/28.html